2009年八重山徘徊記(その3−「石垣島ネイチャーガイド」ツアー)

 2009/09/13のエントリーで最初の予告を入れ、その後、2009/10/19のエントリー2010/01/10のエントリーでご紹介してきた、2009年の我が家の八重山家族旅行の様子なのですが、さすがにこのままだと丸一年経ってしまいますので(^_^;;、その前になんとか完結編です。石垣島でダイビングサービスとネイチャーガイドをしていらっしゃるダイブクリエイトの佐伯さんにお願いした、「石垣島ネイチャーガイド」ツアーの様子をお伝えします。

(第一弾では八重山漁協サンゴ養殖部会のサンゴ養殖棚を見学させていただいた時の印象、第二弾では2年ぶりに米原の海岸でスノーケリングをした際の印象について書いていますので、ご興味のある方はそれぞれ、第一弾のエントリー第二弾のエントリーをご覧下さい。)

まあ、正直なところ、既に誰もこの記事に期待などしていないだろうとは思うのですが(苦笑)、今年も夏休みシーズンが近づきまして、八重山への旅行などを計画されている方もいらっしゃるでしょう。この時期にアップするのは、その参考にでもしていただけると良いかな。という配慮(←どこが?)ですね(笑)。

とは言え、実は我が家では、毎年夏に八重山に通うようになって既に10年以上が経つのですが(私自身は、独自時代から既に30年。早いなあ…(^_^;;)、石垣島の山の中を沢歩きしたのは初めてのことでした(西表島では経験がありましたが)。ところがそれが思っていた以上に(失礼!笑)面白かったものですから、非常に印象に残るツアーでした。

まあ、何はともあれ、あれこれ口で説明するよりも、現場で撮った写真をご覧いただいて、どんな様子だったかを感じていただきましょう。

 * * *

今回のツアー、事前に佐伯さんの「石垣島ネイチャーガイド」のWEBサイトを拝見して、そこに書かれていた「海と山の繋がり」というお話に共感しましたので、佐伯さんには事前でメールで、「海と山の繋がりが実感できるようなコースでお願いします。」というリクエストをお願いさせていただきました。そこで、干潮・満潮の時間を計算に入れて、最初に連れて行っていただいたのが、石垣島の「海」でした。これは石垣市外からクルマで30分くらいでしょうか?スノーケリングポイントとしても有名な米原海岸にも程近い、吉原地区(だと思いますが(^_^;;)あたりの海岸です。県道79号線から少し海側に下りたところにクルマを止めて、周囲はジャングルのように木が生い茂っている小道を伝って海岸へと降りていきました。

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この近辺の海岸は、似たような場所が多いですね。以前、この近所の「ココスビレッジ」さんというキャンプ場に宿泊したことがありましたが、ココスビレッジさんから海に降りる道も、こんな感じでした。


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上の写真の小道を抜けると、砂浜の上に大ぶりの岩が転々としている海岸にでます。この写真の左手の奥が、米原方面になります。
実はこの写真は引き上げるときに撮ったものですので、かなり潮が満ちた状態になっています。海に降りて来た時にはまだ潮が引いていて、かなり沖までサンゴ礁の後方礁原が広がっていました。


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で、その干上がった後方礁原にしゃがみこんで、何を見ているかと言うと…、

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シカクナマコ」(^_^;;。この辺りにはたくさんいるのだそうです。

WEBで調べましたら、このシカクナマコは「溶けてしまうナマコ」として有名(?)らしくて、テレビで何度も取り上げられ、その度にあちこちのナマコが子供たちにいじられ倒されているらしいですね。単に「気持ち悪〜い!」と言って避けられてしまうのも可哀そうですが、面白半分(全部?(^_^;;)でいじられ、溶かされてしまうのは、もっと可哀そうです。気をつけましょう。


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で、その後方礁原からスノーケリングをしようと海にエントリーしたとたん、発見したのがこれです。オニダルマオコゼ。猛毒(^_^;;。

と言っても、別にコイツが噛み付いてきたりするわけではありません。背鰭に毒があって、ついうっかり刺されると命にかかわることもあるとか。写真でも分かるように、ちょっと見たところでは周囲の岩と区別がつきませんので、干潮の礁原などを歩いていて、気づかずに踏みつけてしまうことなどもあるそうです。この写真も水深はわずか数10cmですから、私も佐伯さんに教えていただかなければ、気づかずに踏んづけていたり、あるいは指で触ったりしていたかもしれません。これもまた、気をつけたいところですね。


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そして後方礁原から礁湖(イノー)を通り過ぎ、アウトリーフの礁斜面に出ると、ごらんのような素晴らしいサンゴ礁の風景を目にすることが出来ました。画面左側に青く見えるのは、グルクンの群れでしょう。ぱっと見る限り、2007年の白化の影響は感じられません。
エントリーした場所はちょうど、リーフの切れ目に近い場所にあたりますので、長い距離を泳いだりしなくても、比較的簡単にこのような場所に出ることが出来ます。私の妻は正直、スノーケリングが上手ではなくて(苦笑)、普段はアウトリーフなどには出たがらないのですが、この時にはたいへん喜んでいました。


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で、その妻と息子。奥側にいるのが妻で、カメラ目線が息子です。おそろいのウェットスーツをお借りしました。アウトリーフの礁斜面と言っても、写真のように比較的なだらかな場所だものですから、恐怖感なく楽しむことが出来ます。
(ま、本当のことを言うと、私はもっといきなり「どかーんっ」!と落ち込んでいる、ドロップオフの場所の方が好きですが…笑)


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そしてエキジット前に佐伯さんが見つけてくださったのがこれ。カメラ派ダイバーに大人気のモンツキカエルウオです。たいへん可愛らしい(笑)。これも水深がわずか数10cmの場所にいました。
(不用意に近づきすぎるとすぐに巣穴の中に隠れてしまいますので、実はこれでも写真を撮るのは中々大変でした。笑)

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最後、もう本当にエキジツトしようとしていた時に、子供が私を呼ぶので何かと思ってみてみたら、本当に狭い穴の中にハリセンボンが2匹、隠れていました。(水深があまりにも浅い場所でしたので、泡やらゴミからで水中の懸濁物が多く、ろくな写真が撮れませんでした。ご容赦下さい。m(_*_)m)
この様子はあまりにも不自然なものでしたので、この時には「産卵でもしているのか?」と思ったのですが、その後調べてみますと、ハリセンボンというのはフグの仲間では珍しく分離浮性卵を産むのだそうで、その産卵行動にも独特のものがあるのだそうですね。(1匹のメスを複数のオスが御神輿を担ぐように持ち上げるという、不思議なものなのだそうです。→こちらを参照)

すると2匹で狭い穴の中に隠れていたというのは、産卵行動ではなさそうです。なぜこんなことをしていたのか、今もって分かりません。(まさか「干潮時に取り残されたままだった」ってだけじゃないですよねぇ…(^_^;;)


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エキジツト後、佐伯さんが「それじゃあ、涼しいところに行きましょう。」と言って、連れて行ってくださったのがここです。岩陰に入ると、確かに、何やらすごくひんやりしている。「日陰に入っただけでこんなに違うのかな?」と思っていると…

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その岩陰はただの岩陰ではありませんでした。岩の奥から、冷たい湧水が大量に湧いて出ていたのです。

実はこのポイントにエントリーした直後から、水面近くで妙に「サーモクライン(水温躍層)が目立つなあ。」とは思っていたのですが、それは単に水温が違うだけではなくて、海の海水と、その上に流れ込んだ湧水との間の躍層でもあったんですね。佐伯さんによると、この周囲にはこのほかにも沢山の湧水があるのだそうで、この近辺のサンゴ礁の発達には、この湧水が大きな影響を与えているに違いないということでした。

実際、この湧水の周辺にある岩の表面を見ると、赤錆のような赤い色がついている岩がたくさんあって(一枚上の写真、三人が立っている場所の左側の岩などをご覧下さい。)、これは山中の土壌内の鉄分が、湧水を通じてこの海岸の周辺の海に供給されていることを示しているように思われます。鉄分はサンゴの育成に不可欠な成分ですから、その点だけでも、周辺のサンゴ礁の発達にこの湧水が果たしている役割を想像することが出来ますね。

また(この時には水温計を持っていなかったので水温は計り損ねたのですが)、湧水の水温は周囲の海水温よりかなり明確に低いものでしたから、この湧水が注ぎ込むことによって、表面の海水温の上昇が、若干でも抑えられているという可能性も、十分に考えられるような気がします。周辺のサンゴ礁に、2007年の白化の影響がほとんど見あたらなかったのは既に上に書いた通りですが、それには、このような理由もあったのかもしれません。いずれにせよまさに「海と山の繋がり」の、その両者の接点を見せていただいた気がしました。


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ちなみに、この海岸でもう一つ、私の目を引いたことがあって、それは砂粒の種類。この写真では少し分かりにくいのですが、海岸の砂粒の中に石英が多いのです。
(写真の中で特に白くて、半透明なのが石英の砂粒です。)

石英が多い砂浜は、関東や伊豆地方などでは特に珍しくなくて、伊豆白浜などがその代表だと思うのですが、同じ「白い砂の浜」でも、こちら沖縄・石垣島などでは、石英の白さではなくて、貝やサンゴのかけらや、星砂などの有孔虫の殻などで構成されている場合が多いと思います。そういう砂粒はもっと不透明で、やや茶色がかった砂粒が多いので、石垣島の川平湾などにお出かけになた際には、ぜひ足元の砂を手にとって、この写真と比べてみて下さい。同じ「白い砂浜」でも、場所によって、その砂粒の種類が違うことにお気づきになると思います。

実はこの浜でも、佐伯さんには生ている星砂なども見せていただいていて、ですから決して星砂などが少ないわけではないのですが、やはり湧水の近くだからでしょうか、砂粒を手にとって見ると石英が多くて、私は少し驚きました。この海岸の砂粒の違いが何から生まれて、また周囲にどんな影響を及ぼしているのかは、まだ私には分かりませんので、個人的な研究テーマのひとつ。これからも気にしていきたいと思います。



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そしてお昼ご飯を食べた後にクルマで移動して、今度は於茂登トンネル近くの山中を沢歩きです。佐伯さんを先頭に、息子と妻が後を追い、私は写真を撮りながら、ゆっくりと沢を上って行きました。


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沢の横にはこんな根っこのガジュマルの木(?)や、板根(ばんこん)が特徴的なサキシマスオウの木などが生えています。「ジャングルトレッキング」というと西表島が有名ですが、石垣島の沢歩きも、西表島に負けず劣らず魅力的ですね。


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そして実は、この沢歩きの最中に、私が一番気に入っていたのはこの木。ヒカゲヘゴ。いわゆる「木性シダ」の仲間で、シダ類では日本最大、高さ15mほどにまで成長するのだそうですが、約3億6000年前から存在しているとのことで、「生きた化石」とも言われているのだそうです。つまり、あの「ジュラシックパーク」の時代からある植物。この木を見ていると、いかにも恐竜とか、出てきそうな感じがしますよねぇ(笑)。


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で、何と言っても面白いのはこの木の幹の模様。葉っぱのついていた葉柄が枯れて落ちた痕跡だというのですが、なにやらウロコっぽい感じがしませんか?


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そのヒカゲヘゴの樹皮がこれ。手元で見ても、植物というよりは爬虫類的な感じがしますね(^_^;;。


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で、その樹皮がはがれた木の幹はこんな感じ。これも普通の木とは違います。倒れて枯れたヒカゲヘゴが何本かあったのですがどれも例えば杉とかヒノキなどの倒木とは違っていて、何と言うか、もっとスカスカなプラスチックの薄い板が集まって出来たような質感でした。

私は植物はまるっきり分からないのですけれども(^_^;;、これは何とも面白い植物だな。と思いました。


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で、こちらはその、ヒカゲヘゴなどの木の葉の中に見つけたコノハチョウ。羽を閉じたところは枯葉にそっくりで、見分けがつきません。
沖縄県指定の天然記念物で、環境省レッドリストによる準絶滅危惧(NT)種ですが、この日には往復で少なくとも2個体(あるいは3個体かも)ほどを見かけました。
羽を広げると本当は非常に美しい藍色の模様が見えるのですが、そちらの写真は上手に撮れませんでした。(結構粘ったんですけどね。(^_^;;)


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そしてこちらはサキシマキノボリトカゲ。これも環境省レッドリストによる準絶滅危惧(NT)種です。威嚇のために(?)「腕立て伏せ」をするトカゲとして有名で、我々の目の前でもピコピコと、見事な「腕立て伏せ」を見せてくれました(笑)。大小合わせて4個体〜5個体を見かけました。


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そしてこれが、私が最も見たかった、セマルハコガメヤエヤマセマルハコガメ)。国指定天然記念物、環境省レッドリストによる絶滅危惧II類(VU)、ワシントン条約附属書II類掲載種です。これまでには一度、西表島で車の中から見かけたことがあったのですが、こんなに間近で見たことはありません。
佐伯さんは「だいたいこの辺りにいる」というポイントをご存知のようで、沢歩きの途中で岸に上がると、私たちのために探し出してくれました。


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これが「ハコガメ」という名前の理由。お腹側の甲羅を折り曲げることで、手も足も首も完全に甲羅の中に隠してしまいます。まさに「ハコ」(^_^;;。


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すぐ近くにもう一匹、別の個体もいました。こんなすぐ近くで2匹を見つけるのは、佐伯さんにもあまりないことなのだそうで、「もしかしたらデートの最中だっのたかも。邪魔しちゃったかな?」と、笑っていらっしゃいました(笑)。



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そしてここが、今回の沢歩きの終点。「ここから先は上級者コースなので。」と言う事で、ここからまた、上ってきた沢を下って、元の出発点に戻りました。



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沢歩きから戻ると、もう午後3時ごろになっていましたので、あとは車に乗って少しだけ、於茂登岳の山麓を案内してもらいました。
この写真は、真栄里ダムから名蔵方面に移動した山の中の道で、佐伯さんに見つけていただいたカンムリワシです。国指定特別天然記念物、ワシントン条約付属書II類記載種、環境省レッドリストの絶滅危惧IA類(CR)、種の保存法における国内希少野生動植物種。

ただ実は、実際に八重山を旅していると、カンムリワシ自体はさほど珍しいものでもなくて、私も今までにも何度か、電柱の上に止まっているのを見たことがあります。まあ、カメとかチョウとかに比べれば、はるか遠くからでも確認できるわけですから、そのためでしょう(笑)。

佐伯さんはカンムリワシがよくいる場所を把握していらしゃるようで「この辺で良く見るんだよね。」と言いながら、ゆっくりと車を走らせていたら本当に前方の樹上に現れましたので、思わず笑ってしまいました(^_^;;。


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そして、石垣島の自然の魅力にあふれた今までの写真とは、ちょっと雰囲気が異なるのがこの写真。
(車の中からフロントガラス越しに撮影しましたので、車内の映り込みがありますが、そこは無視してください。別に心霊写真ではありません。笑)

真栄里ダムから名蔵方面に向かう道の近くで見かけて、まるで戦国時代のお城の石垣のようですが、こんな石を積んだ石垣のお城は、沖縄にはありません。何かというと…

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高度土地改良事業(?)が行われた後のサトウキビ畑なのだそうです。
元々、土地改良事業で大規模なサトウキビ畑を造成したところ、畑の傾斜が急すぎて降雨のたびに大量の赤土が流れ出すようになり、それを防ぐために石垣を積んで畑の傾斜を緩やかに直したのだとか(畑の勾配修正)。

佐伯さんは、「そもそも最初の土地改良事業のやり方が間違っていたのに、それを間違いだったと認めずに、さらに別の名前を付けて工事をやり直している。」というようなことをおっしゃって、怒っていらっしゃいました。

ところが実際には、このような勾配修正を行うと、石垣等が設置される分、耕地として使える面積が減ってしまいます。それで、農家の方などからは不評なのだそうです。


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こちらは畑からの排水に含まれる赤土を沈殿させるための沈砂池。わずかこればかり沈砂池では、すぐに砂がたまってしまって、浚渫が必要になるのではないでしょうか。どうもあまり頭の良い方法には思えませんね。

それに、畑を取り囲む石垣も同じなのですが、何とも周囲の風景と似合いません。
それはもちろん、単に美観や景観の問題ではなくて、要は、この石垣に囲われた畑や沈砂池が、周囲の自然環境や生態系から完全に切り離されて、それだけで独立して存在しているように感じられることへの違和感のような気がします。逆に言えば、まだまだ豊かさも残っている石垣島の自然を、この畑や沈砂池が分断しているとも言えるでしょう。(石垣や沈砂池を取り囲むフェンスと鉄条網とは、まるでその「分断」を象徴する存在のように感じられます。)

私は別に土地改良事業のすべてを「悪」だと決め付けるつもりなどはないのですが、今は農業の多面的機能・多面的価値なんてことも言われる時代です。ところがこの勾配修正や沈砂池設置の工事には、そうした「多面的機能・多面的価値」が配慮されているとは、とても感じられません。具体的に「どうすれば…」ということは、もちろん私には分からないのですが、何かもっと良い方法がないものか、引き続きの研究と検討をお願いしたいものだと思いました。

また、私も今まで散々、「サンゴ礁保全は陸域対策が大切だ。」なんてことを書いて来ていながら、その実際の陸域対策が行われている現場を見たのは初めてでした。自分自身の不勉強を改めて感じましたし、いくら「陸域対策が大切」とは言いながら、それを口で言うだけではいけないのだということも感じて、大変勉強になりました。改めて御礼を申し上げます。ありがとうございましたm(_*_)m。

(なお、石垣島の赤土対策の状況などについては、やはり佐伯さんが事務局をやっていらっしゃる「石垣島赤土監視ネットワーク」のWEBサイトや、「石垣島周辺海域環境保全対策協議会」のWEBサイトなどをご覧下さい。より詳しい情報をご覧いただけます)



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そしてこれは、その土地改良事業の現場近くの路上にあつた、オオヒキガエルの死体。いわゆる「ロードキル」に遭ったものですね。

オオヒキガエルは我が国でも「特定外来生物」に指定されている南米原産のカエルです。国際自然保護連合(IUCN)も「世界の侵略的外来種ワースト100」にリストアップしており、世界各地でいわゆる「外来生物問題」を引き起こしている有毒なカエルなのですが、石垣島には1978年に、サトウキビの害虫であるアオドウガネ(まあ、いわゆる「カナブン」みたいなヤツです。)を駆除する目的で、人為的に移入されたのだそうです。

ところが、人間の期待した通りにアオドウガネだけを食べてくれるわけじゃないのはハブ退治目的で導入されたマングースの話と同じわけでして…。
まったく、人間というのはどうしてこうも同じ失敗を反省しないものなのでしょうか…(´・ω・`)。

これをカンムリワシが餌にしているという話も聞いたのですが、オオヒキガエルには毒がありますので、もしこれを食べてしまうとすると、今度は食べたカンムリワシの健康が心配になります。石垣市ではこのオオヒキガエルの駆除を進めていて、「石垣島オオヒキガエル捕獲大作戦」なども展開されているようですが、佐伯さんによると、その捕獲されたオオヒキガエルの回収箱の中というのが悲惨な状況なのだとか(^_^;;。

まあ、狭い(?)箱の中に何百〜何千匹というヒキガエルが詰め込まれていて、それも飼育目的ではなくて殺処分のために集められているのですから、どんな環境であるかは想像できるのですが、本当のことを言えばカエル自体には罪はない。「だから可哀相じゃないか。」なんてことは私は言いませんが、捕らえられた害獣が余りに悲惨な環境で放置されているようですと、それはそれでまた、駆除のモチベーションに影響が出るでしよう(人間というのは身勝手なですから…。)

観光客が見に行くようなものではないとは思いますが、その辺ももっとスマートに出来ると良いのにな。とは思いました。(もちろん、「殺処分するカエルのために余計なコストをかける必要はない。」とうご意見もあるでしょうけれども…。)

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で、オオヒキガエルの話題が出て来ましたので、最後の写真はもうひとつ、やはり石垣島に定着してしまって困っているインドクジャクに関する写真です。

とは言っても、実際には写真に写っていないのですが(苦笑)、この写真はバンナ岳の周辺(かな?良くわかりませんが(^_^;;)で、インドクジャクが繁殖して、よく姿を見かける牧草地(牧場?)なのだそうです。

「クジャクがいるなんて、優雅で良いじゃないか。」と思われるかも知れませんが、それは動物園の檻の中の話で、野生のクジャクというのはその優雅な姿(?)からは意外なほどに獰猛。八重山の自然の中の貴重な昆虫や爬虫類などを食べてしまいますし、雑食性で農作物も食い荒らしてしまうのだとか。八重山にはクジャクを捕食して食べてしまうような動物がいませんので、生態系のほとんど頂点に存在して、八重山の自然の生態系全般に影響を及ぼす、危険な外来生物に違いありません。外来生物法でもミドリガメ(アカミミガメ)やアメリカザリガニと同様、「要注意外来生物」に指定されていますしね。環境省が駆除に乗り出しているようですが、中々効果が上がらないのも他の外来生物と同じ…(´・ω・`)。

鳥好きの方などには、クジャクの駆除に抵抗感を持たれる方もいらっしゃるだろうと推察しますが、八重山の自然がインドの自然と同じものになっては困るわけですから、なんとか駆除が上手に出来ることを祈りたいと思います。

* * *

さて以上が、昨年(2009年)の8月の末、ダイブクリエイトの佐伯さんにお願いした、「石垣島ネイチャーガイド」ツアーの際の写真でした。美しいもの、面白いものから、ありがたくない、困ったものまで(^_^;;、いろいろなものを見せていただきましたね(笑)。

(ちなみに、「ありがたくないもの・困ったもの」の方は、私がわざとリクエストして案内していただいたもので、佐伯さんとしてはそういうものを見せて回るのは本意ではないそうです。佐伯さんにガイドをお願いすると、無理やり?土地改良事業の現場や外来生物を見せられるというわけではありませんから、どうぞご安心ください。笑)

しかしこうして時間が経ってから改めて思い返しても、やはり印象に深いのは(佐伯さんの“受け売り”になってしまいますが(^_^;;)石垣島の「海と山の繋がり」ですね。

もちろん私も、今までにも様々な本を読んだり、講演を聴いたりして、「山→川→海」のつながりは、知識としては知っています(知っていました)。でも実際に石垣の海でスノーケリングをして、山からの湧き水が湧いている場所などを案内していただくと、やはりそこで感じる実感と言うのは、書物や講演などから仕入れた知識とは違うものです。正直、これまでは石垣島でも海でばかり遊んでいて、山や川に足を運んだことがなかったのですが、「石垣の山や川のことも、もっと知りたいな。」と思うようになりました。
(奥さんや子供も大喜びで、「また行きたい。」と言っていますしね。笑)

また米原の海岸を初めとして、石垣島北岸の元気なサンゴやサンゴ礁、石垣島周辺の海の環境を守るためにも、今はまだ十分に開発され尽くしていない石垣島北側(いわゆる“裏石垣”)の自然環境を守ることが、非常に重要なのではないかと言うことも、強く感じます。

実は以前にも、八重山漁協の海人の方などから、
裏石垣には於茂登岳を起源とする無数の湧水が海に注いでいて、そういう場所の近くには、オカヤドカリのような半陸上の生き物も沢山いるし、アマモ場なども発達する。非常に豊かな生態系が築かれている。
という話は聞いていたのですが、改めて、石垣島周辺の豊かな生態系を支えている自然環境というのは、石垣島に住む人々にとっても、非常に貴重な「自然社会資本」なのではないかという思いを強めました。

社会資本」と言うと、普通は、道路や港湾などの公共建築物や上下水道、学校、病院等、人工的に作られた公共施設(=インフラストラクチャー)を意味するのですが、石垣島などの場合、豊かな自然環境があるからこそ旅行者も集まりますし、移住者も増えるのです。そう考えれば、何も人工的に作られた公共建造物だけが「社会資本」なのではなくて、元々からある自然環境自体もやはり、石垣島の人々の暮らしを支え、豊かにしてくれる「社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するもの(←Wikipediaによる「インフラストラクチャー」の定義)」でしょう。それはつまり石垣島の社会と経済にとって、豊かな自然環境こそが、インフラストラクチャーの一つであり、即ち「社会資本」の一つである。と言うことだと思うのです。

そういう風に考えれば、道路や港湾のような人工的な社会資本=「人工社会資本」(←これは私独自の造語ですけどね(^_^;;)の整備は、もちろん必要なものではあるのでしょうけれども、それらを作ることによってもう一方の社会資本である自然環境=「自然社会資本」(←これももちろん、私の造語(^_^;;)が失われるとしたら、トータルでは社会資本全体の減少になるケースも多いのではないかと思います。貴重な税金を投入して、結果としては社会全体としてストックされている財産を減らすのだとしたら、こんな馬鹿らしい話はありません。これまでの政治や経済では、自然環境自体を、我々の人間社会や経済における価値の供給源としてのストック=資本と考えるのは、あまり強調されてこなかったと思うのですが(私はそもそも経済学を勉強していませんので良くは知りませんが(^_^;)、「社会全体としての富=財を増やす」という意味で、これからはこの「自然社会資本の整備」ということにも、もっと注目されるべきなのではないかなあ。と思いますね。

この3月にはちょうど、石垣市には新しい若い市長が誕生しました。新市長は42歳と、私などよりもお若い方だそうですし(まあ就任早々、いくつかの問題が起きて中々前途多難な感じではありますが(^_^;;)、きっと柔らかな頭脳をお持ちのことでしょう。これからの市政は是非、この「人工社会資本」と「自然社会資本」とのバランスを考え、トータルとしての真の“豊かさ=持続可能な豊かさを実現する方向へ向けていただきたいものです。

そしてもう一つ。

こちらはもっと具体的に、やはりこの「石垣島の海と川と山のつながり」全体を一度に見渡せるような石垣島の「ビジターセンター」が欲しいと思いました。

私のようなリピーターには、石垣島の地図も地形も頭に入っています。それぞれの地域の自然がどんな状況にあるのか、大まかなイメージも沸きます。でもその私でさえ、佐伯さんに案内してもらって改めて「石垣島の海と川と山の繋がり」が実感できたのですから、初めて石垣を訪れるような人にはとうてい、そんな理解は難しいでしょう。自分が泊まったホテルや民宿の周囲や、あるいは体験したいくつかのフィールドアクティビティのみで得られた限られた印象が、石垣島全体の印象になると思います。

もちろん、「それだけではダメなの?」という意見もあるでしょう。たった一度や二度、ゴルフやダイビングに来るようなお客さんが来てくれるだけで良いという考えであれば、それで十分なのかもしれません。でも実際には石垣島を含む八重山地域と言うのは、訪れれば訪れるほど魅力が増す、懐の深いエリアなのですから、なんどもなんども、しかも長期に石垣・八重山を訪れて、地元経済に潤いを与えてくれるような観光振興が、これからの石垣・八重山の地域の成長には必要だと思います。そのためには私はやはり、この石垣島の自然の素晴らしさや面白さ、奥深さを理解する手助けをしてくれるような仕掛け=ビジターセンターが欲しいと思います。

ちなみに、私の言う「ビジターセンター」というのは、いわゆる「観光案内所」ではありません。もちろん、「ビジターセンター」の機能の中に「観光業者案内」を含むのは構わないのですが、石垣島にとっての最大の観光資源はやはり自然環境でしょう。ところが現在の石垣島には、「観光業者の案内所」はあっても、「自然環境の案内所」はありません。これは私のような観光客の立場からすると、本来、本末転倒ですから、それだけではなくて、石垣島本来の魅力を伝えることの出来る施設が、是非にも欲しいと考えているのです。これも是非、作って下さいね。中山新市長(笑)。

そしてその財源は、このタイミングに是非、既に本島北部の伊是名村で実施されている「入域税」を検討していただきたいと思います。(参考は→こちらこちら

伊是名では一人100円らしいですが、石垣ならもっと増やしても良いくらいでしょう。石垣市の観光入域者は70万人程度(昨年ベース)だそうですから、一人100円で7000万円。200円なら1億4000万。500円取れれば3億5000万円ですよ。これだけの独自財源を獲得できれば石垣市の財政にも大きな影響が出るのではないでしょうか。

通常、このような「入域税」には、観光業関連業者の方が強く反対します。石垣市でもかつて、同じような税の導入が検討されて、やはり地元観光関連業界の反対で頓挫したという話も聞きました。

しかしわずか数百円程度の「入域税」を徴収することが、観光客の離反を招くと言う考え方は、もはや「前世紀の遺物」なんじゃないかと私は思うのです。そうではなくて、むしろその逆に、税を徴収することが却って「環境保全先進地域」としての石垣市のブランド価値を向上させると考えるべきではないでしょうか。世の中不景気で「デフレ」なんてことも言われていますが、ところがどっこい、実は値段を上げた方が売れる商品も沢山あるのです。営利企業で働くマーケティング・プランナーの一人として、私は、「環境保全先進地域としての石垣・八重山エリアブランドのプレミアム化」こそ、真剣に検討すべきテーマだと考えています。

※そもそも、前世紀の経済学では、自然環境などというものは、「希少性がなく、需要よりも供給が遙かに上回っていて、価格を有しないもの=自由財」として理解されていたと思うのですが、21世紀の経済学では、自然環境こそ、「希少性があり、需要と供給のバランスが取れているか、ややバランスを欠いていて、価格を有するもの=経済財」になるのです。これはほぼ、人類史上始まって以来の、ものすごく大きなパラダイムシフトなのですから、いつまでも前世紀の常識に縛られているようでは、21世紀の経済環境の中で生き残っていくことは出来ないでしょう。

入域税のような独自課税に関しては、沖縄県も導入の検討をしているという話がありますが、新聞報道を見ますと、税の用途としては観光産業の基盤整備」なんてことが挙げられていまして、この調子ではまた、沖縄の貴重な自然環境に配慮しない道路の開削などに使われかねない感じがして不安です。昔ながらの古めかしい観光開発の考え方に縛られることなく、石垣市(や竹富町・与那国町も含めて)として、21世紀の社会のあり方を視野に入れた、新しい観光産業開発を目指していただきたいものだと思います。


* * *

以上、昨年(2009年)の8月末に、家族で八重山を旅行した際に見聞してきたものごとのご報告でした。昨年の旅行からは既に10ヶ月以上、経ってしまったのですが(早いなあ…苦笑)、なんだかんだと今年もまた、同じような時期に八重山に家族旅行に行く予定にしております。その後ではまたいずれ、新たに見て回って感じたことのご報告をしたいと思いますので、再び気長に(爆)、お待ちいただければ幸いです。



* * * しつこく【 P R 】(^_^;; * * *

海に感謝を!『二つのゴミ袋運動』

『二つのゴミ袋運動』にご協力・ご参加をお願いします!
みんなで少しずつ、勝手にゴミ拾いをすることで、
わずかずつでもキレイな海を取り戻しましょう。

* * * 【 P R 】 * * *


 


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